Q2:野菜一日350g(摂取量)の根拠とそれに含まれる主な栄養素と具体的な内容について教えてください。
A2:
「健康日本21」の策定に先立ち、成人3万2000人の食生活を分析した結果、野菜(緑黄色+その他の野菜)は抗酸化ビタミン、食物 繊維、カリウム、カルシウム、などの補給源として、最も重要な位置を占めていることがわかりました。これらの機能性成分を補うための野菜の量を逆算した結果、野菜を1日350g以上、うち緑黄色野菜を120g以上の数値目標が示されています。
- 【野菜の主な栄養素とその目標量】
- 野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含んでおり、主な栄養素としては次のようなものがあります。
- ビタミンC
- 体内に発生した活性酸素を消去する抗酸化ビタミンの補給源として重要ですが、野菜はビタミン以外にも活性酸素消去に働く抗酸化物質を含んでいます。その代表が色素です。色素は、抗酸化ビタミンの効果を補い、高めて、がんや循環器病を防ぐ働きをします。例:血中のビタミンEはそのほとんどがLDL(悪玉コレステロールといわれていた)などに含まれ、酸化抑制に働いていますが、カロテノイドもビタミンEと強調して働くと考えられています。
- 野菜の色素
- 抗酸化作用を発揮する野菜の色素(*総称してカロテノイドと呼んでいます)
*リコピン(赤色)─トマト、 *βカロテン(黄橙色)─にんじん、かぼちゃ、 *カプサンチン(赤色)─赤ピーマン、唐がらし、*ルティン(黄橙色)─ とうもろこし、ブロッコリー クロロフィル(緑色)─ホウレンソウ、ピーマン ケルセチン(褐色)─たまねぎ、にんにく アントシアニン(赤~紫色)─赤じそ、赤キャベツ、ナス クルクミン(黄色)─しょうが
- 食物繊維
- 野菜に含まれる食物繊維は、腸内の有用菌を増やし、発がん物質を生成する腐敗菌を減らします。また、腸を刺激して排便をよくし、発がん物質をすみやかに排泄。日本人に急増している大腸がんの予防に必要です。目標量:20~25g/日(補給源ランキング(1)その他の野菜 (2)果実類 (3)緑黄色野菜)
- カリウム
- ナトリウム(塩分)を対外(尿中)へ排出。血圧の上昇を防ぎ、循環器病(心臓病・脳卒中等)の予防に必要。目標量 3.5g以上/日(補給源ランキング (1)緑黄色野菜 (2)その他の野菜 (3)いも類)
- カルシウム
- 日本人に最も不足しやすい栄養素。骨粗鬆症の予防や歯の健康に必要です。目標量:800mg/日 (補給源ランキング (1)牛乳・乳製品 (2)豆類 (3)緑黄色野菜)
- 【参考資料】
- 「科学技術庁資源調査会五訂食品標準成分表」、「栄養成分バイブル」、「健康日本21リーフレット」
野菜 350gを写真で見てみましょう!!!
写真の野菜の分量
ほうれん草 | 70g |
にんじん | 30g |
ピーマン | 20g |
ミニトマト | 40g |
玉ねぎ | 30g |
もやし | 30g |
レタス | 30g |
きゅうり | 30g |
大根 | 70g |
合計350g |
これが、350gの野菜です。このうち、160gが緑黄色野菜です。
加熱することで、量が減ります。これなら、無理なく食べられそうですね。