第12回日本栄養改善学会北海道支部学術総会の開催にあたって

日本栄養改善学会北海道支部学術総会会長
北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 教授
板垣康治

 第12回日本栄養改善学会北海道支部学術総会を2014年12月6日、藤女子大学北16条キャンパスで開催いたします。テーマは、今年も昨年と同じく「食と健康の架け橋・栄養学-100年の軌跡と未来-北の大地からの追究-」といたしました。
 今年8月に、横浜で開催された第61回日本栄養改善学会学術総会のテーマは、「実践栄養の連携と調整」でした。総会の会長を務められた神奈川県立保健福祉大学学長の中村丁次先生は、多様化、複雑化した現代社会の中で、個々人の健康状態、栄養状態を改善するには、もはやひとつの専門領域だけで答えを出すことは不可能で、他領域と連携し、それぞれの領域が知識や技術を出し合い、目標に向かって調整していくことが必要であると述べておられます。
 現在、栄養学の分野においては、専門化と細分化が進み、関連する専門性の高い学会がたくさん出来ました。その結果、自分の専門と最も関連の深い学会に参加する傾向が強まり、母体である栄養改善学会への参加者、発表者数が伸び悩む傾向が、特に支部会において見られています。北海道支部においても、その傾向は強く、毎年、実施している総会の規模を維持していくことも非常に難しくなってきています。支部会のあり方を真剣に考えなければいけない状況になっています。日本は、高齢化社会から高齢社会を経て、超高齢社会へ突入しています。その傾向は地方において顕著であり、北海道も例外ではありません。ライフステージ別に、それぞれの世代で起きている特有の問題を個々の専門学会で解決していく方法も、もちろん必要ですが、一方で、それぞれの領域で活躍している栄養士、管理栄養士の先生方が同じ土俵の上で議論することも、個々に抱えている問題を解決する上で重要ではないでしょうか。そのような場として、ぜひ、日本栄養改善学会北海道支部会を活用していただければと思います。また、私も含め、栄養士、管理栄養士以外の、他領域の職種の人たちにも積極的に参加していただき、問題解決に向けた「連携と調整」が図れるようになることが重要であると考えます。
 今回の総会も、非常に興味深い講演を用意いたしました。まず、市民公開講座ですが、今年はオリンピックイヤーで、大いに盛り上がり、また2020年には東京でオリンピックが開催されます。「スポーツ栄養学」は現在、最も注目されている分野であり、その第一人者である鈴木志保子先生をお招きしてスポーツ栄養の最前線についてお話をいただきます。特別講演は、生活習慣病の代表格である「糖尿病」について、中村昭伸先生に臨床医のお立場で、実践的なお話を頂戴いたします。

 ぜひ多くの皆様にご参加いただき、活発に議論することにより、大会を実り多きものにしていただきますよう、お願い申し上げます。

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