栄養士のつぶやき No.63

「私の原点」

苫小牧支部 斉藤 幸子


 私は農家の家庭に育ちました。もちろん食卓には取れたての野菜が使われ、それが当たりまえの風景でした。一人暮らしをするようになり、スーパーで買ったアスパラガス、とうもろこしの味に物足りなさを感じたものでした。

 月日が経ち、子供たちがゲームにはまっている姿を見て、このままではいけない、どうすれば子供たちに貴重な経験をさせることができるのかと考えていたところ、たまたま新聞に「農業小学校」の文字が目に飛び込んできました。農家の方が先生となり、畑の一部を貸してもらい、そこで好きな野菜を育てるというものでした。

 家族4人で参加し、2週間に1度由仁まで6年間通いました。たくさんの野菜と経験を得ることができました。自分でそばを育て、製粉し、そばを作って食べたり、とれた南瓜で南瓜プリンを作ったり、今となっては良き思い出です。野菜を育てる、育てた野菜で料理を作る、ぜいたくな時間を過ごすことができました。

 あれから10年が経ち子供たちも成人となりましたが、あの頃のことをどのように記憶しているのでしょうか?

そばの花

 私たちは食事をすることを当たり前のことのように日々を
送っていますが、食べるものがない、食べたくても食べられない、
など当たり前のことができないことだってあるのです。
つい、忘れてしまいますが、食べられることはありがたい、
感謝!

 そして、今思えば私が栄養士となり、今でもその職を
続けているのは、子供のころから野菜を育て、料理をすることに
接してきたからだと思います。

 今では自宅の小さな家庭菜園で、楽しみながら野菜を育てています。
これからも野菜の成長する姿に励まされながら、仕事を続けたいと思います。

おくらの花



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