栄養士のつぶやき No.2

ナポリタンスパゲッティ

北海道根室保健福祉事務所中標津地域保健部
管理栄養士 長原 冴子

 中標津に赴任した当初、ボリューム満点の外食料理に驚かされた。目の前にある山盛りのナポリタンから見積もったカロリーは1000kcal弱。1食分としてはあまりにも多い。すると「俺、糖尿(病)だから塩分控えてね」と一言付け加えて注文している客がいた。もちろん、これだけで糖尿病をコントロールできるわけではない。でも栄養価がわからない状況では精一杯の配慮だったのだろう。もし栄養価が表示されていれば、より自分に合った食事をとることができると感じ「ヘルシーレストラン推進事業」をもっと普及させようと思った。

 

現在、北海道では「ヘルシーレストラン推進事業」により、外食料理の栄養成分表示を推進している。しかしながらこの当時、中標津保健所管内で栄養成分の表示を行っている飲食店は1件もなかった。なぜならボリューム満点の料理を「売り」としているお店が多く、栄養価の表示はマイナスイメージになると考えられていたからだ。しかし、表示の必要性を地道にアプローチしてきた結果、多くの店から協力を得ることができた。

地域に少しずつ広がっていく小さな栄養表示を見て、住民の目に栄養価が見える機会が増えていくことを嬉しく思う。もしかしたら、あのナポリタンを「小盛で」と注文する人が出てくるかもしれない。

ヘルシーレストラン推進事業についてはこちら

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