平成21年度 秋期研修会

「笑いと健康」

日本笑い学会北海道支部
  北海道笑ってもいいんでない会
副笑司長 工藤 俊彦
 「笑いと健康」は近年大変注目されている。
 笑いには身体的、心理的、社会的などいくつかの作用(効用)がある。
 身体的な作用(効用)で最初に出てくるのは、「笑いと健康の父」といわれ、著書に『笑いと治癒力』があるノーマン・カズンス氏だ。 カズンス氏は硬直性脊椎炎という膠原病の一種を発症し、一生体を動かすことができないだろうと宣告された。 それまでの忙しい生活を反省し、暮らしに笑いを取り入れて自分の病気を治そうとして、徐々に病気を克服した。 その闘病記が『笑いと治癒力』で、米国の権威のある医学雑誌に掲載されたものである。 カズンス氏は後に心筋梗塞で倒れたが、それも生活に笑いを取り入れて克服している。 カズンス氏は、笑うことで病気が治るわけではないが、前向きでポジディブな気持ちのひとつの表れであり、自然治癒力を発揮することが大切であると書いている。
 日本でも「笑いと健康」について色々な研究が行われている。
 医師の伊丹仁朗氏の研究に笑いとナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性がある。研究では被験者に落語や漫才を聞いてもらった後にほとんどの人にNK細胞の活性上昇が見られた。被験者に面白いことを考えてもらい、作り笑いをしてもらっただけでもNK細胞の活性上昇した報告もある。
 日本医大の吉野槙一教授が関節リウマチの患者に行った研究では、落語を聞くことによりリウマチの痛みは軽くなり、その効果は2週間続いたというデータがある。他の医師の研究でも、落語を聞くことで脳内の血流が良くなったというデータがある。
 ヒトは色々なストレスが加わると大脳皮質に刺激が行き、視床下部に伝わる。その後色々な所に痛みが伝わっていく。しかし、笑うことで大脳からその先への伝達が阻止され、脳内がリセットされる。そのため、関節リウマチの患者は痛みが感じなれなくなったのではないか。笑いが内分泌系や免疫系、神経系に良い働きかけをするのではないかといわれている。
 笑いには心理的作用(効用)もあり、日本笑い学会井上会長は、 気分がよくなる、緊張の緩和、カタルシス(浄化)、抑圧 された欲望の開放、自己防衛機能であるとしている。
 「おかしいから笑うのではない、笑うからおかしいのだ」 という説がある。
 作り笑いでも免疫力が上昇するのなら、体にも心にも良い影響を与えるためにも、積極的に生活に笑いを取り入れていきたいものだ。
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