平成20年度 春期研修会


茶カテキンの体内機序について
~脂肪エネルギー代謝に及ぼす影響~

講師 花王株式会社ヘルスケア食品研究所 技術支援課課長 吉本 弥生

 厚生労働省は「健康日本21」の推進に当たり、メタボリックシンドローム予防の重要性を啓発し、特に内臓脂肪の蓄積を減らすことと、そのために運動習慣や食生活の改善を図るための強化策が発表されました。

 この動きに沿うものの1つとして、肥満やさまざまな生活習慣病予防のための食生活改善に毎日無理なく摂取出来るものとして、緑茶の中に一番多く含まれている茶カテキン類に注目し研究されてきました。この茶カテキンは茶の渋味成分で、ポリフェノールの1種ですが、このカテキンは紅茶やウーロン茶では発酵過程で半減してしまいます。緑茶カテキンはビタミンEの約50倍の活性酸素消去力を持つとされ、従来から、発ガン抑制、動脈硬化予防、脂質代謝異常の改善等の効果が認められています。さらに最近の研究により、高濃度茶カテキン類の継続摂取により、体脂肪低減効果が確認 されてきています。

 この高濃度茶カテキンによる体脂肪低減の仕組みというのは、高濃度茶カテキン摂取時に肝臓での脂肪燃焼酵素の遺伝子発現量が40%近く増加していること、さらに脂質のβ酸化活性が約3倍に上昇していることがわかった。

 その結果、肝臓での脂質代謝が活発になることがわかった。

 このことから、体の脂質代謝が活発になり、エネルギー消費量 が増え、体脂肪が低減したと考えられています。

 このような効果 により体脂肪が気にかかる方に適するものとして茶カテキンを多く製品が特定保健用食品として認可されるに至っています。

 なお、実際上では、茶葉から急須でいれたお茶の場合湯のみ1杯のお茶で、80mgほどの茶カテキンを摂取することが出来るとのことです。体脂肪を減らすということは食生活と運動のバランスが大切であり補助的にカテキンの利用ということであります。

 特保の利用が生活改善の一助になれば幸いと思います。


経口摂取の重要性を考える  ~全身と口腔機能の関連から~

講師 北海道医療大学歯学部 口腔機能修復再建学系咬合再建補綴学
准教授 越野 寿

 高齢者のQOLに果たす義歯補綴治療の役割を中心とした講義が進められた。高齢者をとりまく現状として「介護保険」にみられるように、要介護高齢者の福祉の充実が図られようとしている。

 高齢者が急増する中で高齢者が「質の高い生活」を送るためには、顎口腔系機能の維持・管理が不可欠である。顎口腔系機能とは歯の事だけではなく、顎を動かすこと、すなわち咀嚼することで脳が活性化し、唾液が出ることで消化にもよく体にもよいということである。また、物が食べられることにより心理的に大変関わりがあるという観点から、口腔内のことだけでなく機能として考えるもので、大切なのは咀嚼機能が十分に発揮できるように補佐することである。

 しかし、多くの高齢者が口腔内に問題を抱えているにも関わらず、歯科受診ができない現状にある。

 背景には色々な問題があるが、義歯装着者は年齢とともに口腔内の状態も変化していくので、その都度それに合った義歯を装着するのが理想である。そうでなければ、義歯の不都合により物がよく噛めない、その結果消化不良や血管系疾患、循環器系疾患などを引き起こし悪循環に陥ってしまうこともあるからだ。義歯の調整によりそれらが改善することもあり、また十分に咀嚼することで痴呆などにも効果がある。

 高齢化する現代の中でどんなに栄養を摂っても口腔内に問題があれば、なかなか健康維持にはつながらないし、ますます老いに拍車がかかる感がある。

 たとえ口腔内の状況が良くても偏った食材ばかり 食べる傾向があるとすると健康増進にはならない。

 何が今対象者に必要なのかを常に見極める目を持って今後は対処していかなければならないと思う。


ページ上部に
PR