第5セッション
演題 1
当院におけるNSTの取り組みの現状報告
発表者 ○寺山絵理、斉藤典子、小林沙樹
(日鋼記念病院栄養課)
【はじめに】当院では2004年3月より院長直属、全科型のNSTが本稼動した。目的は患者のQOLを高めるためである。電子カルテを利用した当院独自のNST活動の有用性と問題点について今後の展望を含め報告する。
【活動内容】医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、医事課員、管理栄養士で構成され、4チームに分けて活動を行っている。委員会は月2回、回診は週2回各チームで実施している。介入の流れは一次スクリーニングとして電子カルテを利用し、Alb3.0以下又はBMI18.5以下の患者を抽出。病棟看護婦がSGA(主観的包括的評価)を電子カルテのサマリに記載。主治医に介入要・不要を確認。NST回診、である。回診では電子カルテを利用し、患者の情報を収集後、必要エネルギーを決定し、栄養投与経路や内容を主治医に提案している。
【有効性】スクリーニングで抽出された患者以外でも看護師から栄養課へ食欲不振患者の相談が増え、より多くの患者の食事内容、食事形態、栄養剤の検討に携わる事が可能となった。以前より多くの患者の摂取量増加やQOLを高めるきっかけになっていると考える。
【問題点】スタッフの人数不足によりSGA未実施のため介入決定が遅れたり、退院・転院が多く長期介入が困難となっている。又、スクリーニング指標のAlb、BMIが、古い値であったり、測定していないケースもあり、低栄養でありながらスクリーニングから漏れている場合がある。
【今後の展望】栄養状態の評価を入院早期に実施し、チーム間での引継ぎを強化しながらより多くの患者に長期の介入を行っていきたいと考える。
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