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「旅先で出会う食」

札幌市立平岡中学校 栄養教諭
橋本 麻美


 あなたが旅行で、1番楽しみにしていることは何ですか?――――私は断然、「食」です!(栄養士の皆さんなら、賛同してくださる方が多いはず。)これまでの旅行で、特に記憶に残っている料理を思い起こしてみると――――宮城のつきたて餅、横浜中華街の生姜しょうが入り具だくさんスープ、鎌倉のダシのしみた田楽でんがく、名古屋の小倉おぐらトースト、京都のほうじ茶スイーツ、大阪のきつねうどんと駅弁の揚げなす、徳島のアジの姿寿司――――これらを食べたときは、驚きと感動を覚えたものです。海外旅行も数回行きましたが、台湾のピリ辛メンマ、香港の中華がゆ、イタリアのオリーブオイルと酢・塩こしょうだけのシンプルなサラダは、また食べたいと思ったお気に入りの料理です。皆さんにもそれぞれ、記憶に残るお気に入りの「旅食」がひとつやふたつ、あるのではないでしょうか。ただ、旅行のときいつも思うのですが、限られた日程の中で、1日3食プラス間食1~2回しか食べられないのが、悩ましいところです。
 ところで、私は旅行先で必ず、スーパーなどの食品売り場に立ち寄ることにしています。一見、日本全国同じような品揃えに思えますが、目を皿のようにしてよ~くチェックしてみると、その地域特有の、あるいは好んで食べられている食材や料理に出会うことができます。例えば太巻き寿司ひとつとっても、地域によって具材が違っていたりするので、そういったちょっとした違いを発見するとうれしくなります。一方、海外のスーパーは私にとって、お土産の宝庫です。現地の言葉が話せなくても、その国の日常的な食品を一通り見ることができますし、砂糖入り緑茶など日本の食品をアレンジしたものを発見できる場合もあります。
 そんな「旅食」好きの私ですが、学校給食の献立作成の際に特に力を入れているのが、日本各地・世界各国の料理の実施です。ほかの給食施設で実施したレシピをもとに献立を立てますが、「給食用にアレンジするにしても、本場の料理、本場の味を知らないと!」と思い、その土地の食文化を調べつつ、できるだけ本場の料理を食べるよう心がけています。
 帯広の豚丼、名古屋の味噌煮込みうどん、大阪のきつねうどんなどは、現地へ行って味わうことで、本場の味に近づけたり、説得力のある指導資料を作ったりすることができました。なかなか現地へ行けない場合は、専門料理店に行ってみます。これまでに、沖縄料理店の沖縄そばやサーターアンダギー、ロシア料理店のボルシチ、ブラジル料理店のフェジョンなどを味わい、給食に活用してきました。こういった専門料理店のメニューにもない場合は、半調理品やレトルト・缶詰などを、世界の食材を扱う専門店やインターネット上で購入しています。
 子どもたちはもちろん、先生方も保護者の皆さんも、こういった特別メニューには多くの関心を寄せてくださいます。今年度はオリンピック・パラリンピックの開催にちなんで、「世界ぐるっと味巡り」という名称で、世界数ヶ国の料理を実施しています。生徒向けに、その国や献立について紹介したプリントを配付する取り組みのほか、「いただきます」のときにその国の簡単な言葉を斉唱したり、給食時間にその国の音楽(伝統曲からヒット曲まで)を放送したりする取り組みも好評です。札幌市の学校給食はブロックごとに作成した献立が基本となるため、学校独自の献立を実施する機会が少ないのですが、これからも食指導の一環として、旅先で出会う料理のようなワクワク感の持てる給食を取り入れていきたいと思います。

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