栄養士のつぶやき No.46

台風10号

札幌石狩支部 医療 高氏 千秋

 すでにご存知の通りですが、統計開始以来初めて岩手県に上陸した台風10号により東北・北海道に大きな被害が出ました。
被害に遭われた地域の皆様のご無事をお祈りするとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

私は高校時代までを十勝で過ごしました。
台風10号の影響で、川のように水が流れる道路、濁流に流された橋、2本の線路だけが残った鉄道、給水に並ぶ人々の姿…。テレビやインターネットでそんな故郷を見るたびに心が痛みます。

台風上陸の翌朝、高校時代のクラスのグループラインでは、地元の仲間を案ずるやりとりが続いていました。
そのグループラインの中には、私の他にもう一人の栄養士がいます。帯広で勤めているその同級生から聞かれたのは
「道路の寸断で、明後日の塩ラーメンに使うもやしが入らない…。」
私は「明後日のラーメンはもやし無しでも仕方ないと思う…。」と伝えました。すると、その同級生から返ってきたのは
「今日の帰りにスーパーに寄って、もやしを探してくる。無かったらキャベツか白菜で代用!」という答えでした。
その日の帯広は、避難勧告が出て、市内の小中学校は臨時休校になる大変な状況でした。それにもかかわらず今ある環境の中で、召し上がる方に最大限喜んでもらえる食事を出そうとする同級生の姿がありました。

あちらこちらの病院や施設で、このような状況の中、栄養士が奮闘し対応されていたのだと思います。大変な中でも、私たちが提供する食事で「食べる方を元気づけたい。笑顔を広げたい。」との思いで職務を全うしている仲間を思うと頭が下がります。

被害に遭われた皆様は、今もなお不安な日々を送られていることと存じますが、皆様の安全と1日も早い復旧がなされますよう心からお祈り申し上げます。


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