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「在宅訪問」

北海道栄養士会 札幌石狩支部
株式会社ファーマホールディング 在宅訪問管理栄養士 藤田智子

 「在宅訪問栄養指導をしています。」と言うと、具体的なイメージがつかない方も多くいらっしゃいます。一言で言うと、「(在宅患者様のお宅へ)訪問して行う栄養指導」なのですが、実際にやっていることと言えば、本当に様々です。
 以下にケースを挙げると、
(1)「腎不全で入院していた奥様が、やっと退院したものの、食事を作ることができない」
→これまで料理をしたこともないご主人に、腎臓病食の調理実習をしました。
(2)「麻痺があるためうまく飲み込めず、誤嚥性肺炎を繰り返している」
→介護しているご家族に対し、硬さを調整した介護食の作り方を指導しました。
(3)「介護ヘルパーが食事を用意するが、本人は心不全で厳格な塩分制限が必要」
→ヘルパーに対して調味料の使用量や献立についての提案をしました。

 このように、在宅患者様の食環境は多様であり、ニーズも様々なので、それらの相談に応じ、食の面から療養生活を支えるのが在宅訪問栄養指導と言えます。

 在宅訪問をしていて思うことは、「食べることは大変だ」ということです。在宅患者様は基本的に高齢なので、食が細い、しっかりと噛めない、うまく飲み込めない等、生理的な機能の低下があります。それに加えて疾患や障害などを抱えているため、私たちが普段当たり前のように行っている「食べる」という行為が大変な作業になります。また、介護しているご家族も大変です。これまで介護食など作ったこともなかった方が、エネルギーや塩分やたんぱく質、さらには硬さ・粘度といったことを考えながら食事を用意しなければならない。苦労して用意したとしても本人は十分に食べられない・・・。体力を落とさないよう、何とか食べさせるために、毎日、試行錯誤・悪戦苦闘が続きます。「食べさせるのがこんなに大変だとは思わなかった。」と言うご家族の言葉には、実感がこもっていました。

 つまり、在宅患者様は食の支援を必要としており、私たち栄養士・管理栄養士は支援できる立場にあるということです。高齢の患者様は外出も困難ですから、お宅まで出向いて行う栄養指導は、食の問題を抱える患者様やご家族にとっての「救世主」となり得ます。
 「困ったときの訪問栄養指導」というように、在宅訪問栄養指導が地域の中であたりまえに取り入れられるよう、環境づくりに取り組んでいきたいと思います。

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