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被災地の方々の健康づくりに管理栄養士・栄養士が貢献できそうなこと

(社)北海道栄養士会 研究教育協議会 会長 石川 みどり

 東日本大震災により被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。震災の発生から3ヶ月が経ちました。現在もなお、震災・津波の惨禍にくわえて、福島の原子力発電所の事故による避難生活や不安も続いています。私たち管理栄養士・栄養士への社会的な役割や期待は大きくなっています。これまで、北海道栄養士会の会員も多くの方が被災地で活動されており、ホームページで紹介されています。
 そのような中、宮城県で活動する管理栄養士の方から避難所で生活する人々の食生活について伺う機会がありました。ある避難所では、支援していただいた食品のうち、皆が食べたこと・調理したことのない缶詰が多く残っている。例えば、コンビーフ、ソーセージ、何かの動物性食肉の缶詰(外国語のため解読不明)等であり、これらをどのように調理してよいか悩んでいる。また、料理に使用する食品選択の優先順位が食品の賞味期限になりやすく、期限切れが近いものから食べなくてはと思う。頂いた食品は早めに全て食べることが援助してくれた方への感謝になると考える方が多いように感じる。ということでした。
 この話を聞いたとき、私が長年、かかわってきた国際協力で起きる課題と同様のことが日本でも起きつつあることを知りました。多くの開発途上国は、国際機関や先進国からの食料援助をうけています。しかし、必ずしも、その地域の食文化や援助を受ける方々の健康状態に合わせた食料や適量を考えた分配、配給が行われているとは限らず、それら全ての食料を食べた人々の健康状態を悪化させることが、この20年余りの栄養分野の課題となってきました。そのため、現在では、国際機関であるWFPやUNOCHAがその調整役になるべく試行錯誤をかさねつつ標準化を行っています。
 今後、日本においても、被災した住民の健康維持のための食事の栄養バランスを重視する、地域の食生活の習慣を考えつつ、避難所で食事(食品)を選択する方法について被災した生活者の視点から検討する必要があると思います。被災地で活動する栄養士は目の前の問題解決に日々精一杯ですので、後方支援として管理栄養士等が援助物資を送る際にチェックする機能も重要だと思います。被災地へいき直接の活動ができなくても、遠くにいる管理栄養士・栄養士も避難所にいる方々の気持ちを思いながら、一緒に困難な課題に取り組むことはとても重要であり、おそらく、多くの方々は被災地域住民の健康づくりに貢献できることを嬉しく感じると思います。

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