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「本物の味を」

札幌市立新光小学校 栄養教諭 向井 ひとみ

 青々とした葉っぱの付いたままの大根、外側の一枚一枚までシャキシャキしているレタス、真っ赤に熟したトマトなど全部がみずみずしく、甘くておいしい!
 北海道は食糧基地。春から秋にかけては毎週のように、ちょっとしたドライブ気分でとれたての新鮮な野菜が並ぶお店へと行き、ついついいろいろと買ってしまう私。ガソリン代と時間をかけて?と思いながらも、「新鮮!本物の味!に勝る物はないよね!!」と、一人で納得して出かけます。幸せモードで帰って来てからがさあ大変・・。この野菜をどうやって冷蔵庫にしまおう!?と。元々野菜大好きな私ではありますが、この時期の週初めの冷蔵庫内は野菜で一杯、食卓はもちろん旬の野菜料理だらけです(笑)。でも、そのお陰でこの夏の猛暑にもへっちゃら?でした。
 さて、小学校に勤務している私は、このとれたてのおいしい野菜を子どもたちにも食べてもらいたいなぁ。そしたらきっと“野菜料理は苦手・・・”と言う子どもたちも、「あれ?」「いやじゃないかも…」「また、食べてみようかな…」と苦手意識が少しずつ変わるはず!また、元々野菜に抵抗のない子どもたちは、いっそう「野菜って本当においしい!」と感じるに違いないと思うのです。
昔はある一時期しか食べることができなかった野菜やくだもの。でも、今は技術の発達によりほとんどの物が一年中お店に売られていて食べることができます。さらには日本で無理なら外国から輸入して。当たり前ですが冬のきゅうりと旬のきゅうり、あるいは遠くから運ばれてきたものと、とれたてのものではおいしさが全く違います。もし、生まれて初めてきゅうりを食べた子どもが冬のきゅうりを食べたとしたら「おいしい!」って思うのでしょうか。 きゅうりにも失礼な気がします。子どもは正直です。おいしくないものは食べてはくれません。ですから、学校給食でも「旬のもの」を大切にし「本物の味」を大切にしています。でも、悲しいことに札幌という大都市の約300校ある学校で、約138,000人すべての子どもたちに産地直送、朝もぎの野菜を…などはなかなか難しいのです。ただ、札幌市の学校給食の取組の一つとして、年に1~2回は札幌産のレタスやとうもろこしを子どもたちに食べてもらっています。昨年、その取組のとうもろこしを使った時の子どもたちの反応は、“とれたて”ということを食べる前に学習してもらったこともあり、多くの子どもたちから「あまい!」「おいしい!」との声があがり、“とれたて”のおいしさを体験し実感してもらえました。このように学校で行う「食育」は、学習したことを実際に給食で食べるという体験ができます。また、教科等の学習、いろいろな行事と食を関連付けることで、学習がより深まり、実感することで得た知識を自分の生活の中に取り込むことができるのです。
 人格を形成し、自己実現をしていく力を付ける学校教育。健康なくして自己実現はできません。「人」を「良くする」と書く「食」。心も体もです。その食に関することを学ぶ「食育」は子どもたちになくてはならない大切な学びの一つだと思います。小学校と中学校の9年間を通して、子どもたちが実感し納得し、そして、“生きる力”とするための一つの方法としても「旬の味」「本物のおいしさ」を追求しなくては!と、あらためて思うこの頃です。

【紹介者:(社)北海道栄養士会 札幌石狩支部 地域活動栄養士協議会 松下 弥生

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