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最前線?最先端?

天使大学大学院 米代 武司

1年前の4月、大学院に入学しました。専攻は栄養管理学で、エネルギー代謝調節機構とその破綻に関する研究をしています。

大学院で基礎栄養学・生理学系の研究をしていると、よく「実験屋」と言われます。

私はこの「実験屋」という言葉があまり好きになれません。まるで、実験室にこもって、試験管を振り、論文を書くだけの人という印象を受けるからです。

確かに、マニアックな研究をしていると、科学の追求にばかりに意識が向きそうになりますが、私はその都度、この研究成果は人の健康増進に対し、どうやって活用できるのかを考えるようにしています。

研究結果を学会や論文で発表することも重要ですが、研究の最終的な目的は疾病予防や治療に活かすことです。研究成果は最前線である現場で活用されなければなりません。

しかし、現在のところ、栄養に関連する研究成果が栄養士業務に反映されるまでには、倫理的、制度的問題から、大きなタイムラグがあるように感じます。

新薬の治験や新規治療法の適用とは違い、栄養関連の介入は問題や事故が発生するリスクが少ないので、研究成果が今よりスピーディーに現場に反映されることも不可能ではないはずです。

そのためには、まず各領域で栄養学の重要性が認められることが必須ですが、さらに、最前線(現場)と最先端(研究)がより密に連携・情報交換をしていく必要があります。実際、そういった動きは徐々に実現しはじめているように感じます。

今後、最先端で研究された成果(エビデンス)がスムーズに最前線で実践されたり、最前線で起きた問題がより迅速に最先端の研究で検討されたりといった循環が実現することを期待します。そうすることで、疾病の予防・治療における栄養士業務の貢献はますます高まると信じています。

【紹介者:(社)北海道栄養士会 空知支部 槌本浩司
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