栄養士のつぶやき No.25

バスの停留所

釧路市阿寒町行政センター 栄養士 中尾 恵美子

 行政機関の栄養士になって20年になりますが、小さい町の栄養士は一人が多く、時たま誰かとすごく話したくなります。隣町の栄養士だったり、研修会の場だったり…。
でも小さい時は人見知りが激しく、初めて一人で乗ったバスで目的の停留所で下りる事ができず、終点まで乗ってしまったことがあります…。(我が家の語り草ですが。)
こんな私でも、今では人前で話しをすることが仕事になり、’まさかお前がこんなになろうとは’とよく親戚の叔父様たちに言われます。一番驚いているのは本人なのですが。
環境が人を創るといいますが、まさに私は環境に創られ、育てられてきたのだと思います。社会人になって(栄養士になって)始めてもがく時期もありましたが、それを支えてきたのは同僚だったり、栄養士の仲間だったような気がします。
今でも人前で話しをする時は一呼吸置いてからでないと話し出せないし、初対面の人とは緊張します。でも今日まで続けてこられたのは、今まで培ってきたものを目の前の人たちの役にたって欲しいという想いからでした。自分の経験しか伝えるものがないので、いつも不安を感じています。このままでいいのか…、自分の知識は間違っていないのか…。こんな不安を取り除いてくれるのは仲間からの情報であったり会話だったりします。時には職場の寂しさや悲しみなどを織り交ぜながら話しをすることで、すっと不安は消えていくのです…。人の力はすごいです。いつも思うのですが、傷付けられるのは人ですが、その傷を癒してくれるのも人なのです。
今の世の中は簡単にインターネットなどで情報を得ることができますが、私は人との繋がりも大切にしたいと思います。これから仕事を続けていく上で大切なものを挙げるとしたら人との輪でしょうか…。



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